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ある冒険家さん風大海戦記。



9月29日、イオニア海。

ふと、空を見上げてみた。

透き通るような青い空に、目に焼きつくような真っ白な雲。

ついこの前、世界の果てで…そう、かの高名な航海者がマール・パシフィコと名づけたその海域で…見上げた空と、それは同じだった。

世界はつながっている。

そんなことを呆けて考えていた、ちょうどその時だった。



「撃てーーーっ!!」

ドドドドドン!!



船側にズラリと並べられたカロネード砲から、一斉に砲弾が放たれていた。

拍子抜けしたような顔で甲板を見下ろしていた私に目ざとく気づいたのか、先ほど攻撃の号令をかけていた男がこちらに近寄ってくる。

副官のハンスだ。

「船長…なにをぼーっとしていらっしゃるのですか? 貴女がそんなことでは困ります。ここは戦場なのですよ?」

おもちゃを片付けなさいと言ったはずなのに、そのおもちゃでいつの間にかまた遊び始めていた子供を見つけた時のような…やれやれといった表情で、ハンスが言った。

「…わかってるわよ。ここは戦場で、今は戦闘中。わかったから、さっさと持ち場に戻りなさい!」

口をとがらせながらも辛うじて船長の威厳を(もしくはそれに類するものを)見せつつ命令すると、ハンスはわかりやすく肩をすくめてみせた後、持ち場へと戻っていった。



そう、ここは戦場だった。

イスパニアがフランス領のカリアリに対して宣戦布告をしたため、その機に乗じてポルトガルがフランスと、そして我がヴェネチアがイスパニアとそれぞれ連盟を組み、大海戦となったのだった。

どこかの国がどこかの国に対して宣戦布告を行えば、必ず他の国も便乗し、結果的には大海戦となってしまう。

つまりは理由などどうでもよく、どこの国も同盟港の拡張と国威の誇示を虎視眈々と狙っているだけなのだ。



くだらない。

こんなことで大量の物資や時間を消費したところで、いったい何の得があるというのだろうか。

同じ物資と時間を交易に投資した方が、結果的にはよっぽど有益であるだろうに。



と、言いたいところではあるのだが。

その交易とて、国家の後ろ盾があればこそのものなのだ。

他国の港では関税も高いし、便宜も図ってはもらえない。

自国の同盟港が増えるということは、つまりは交易にも有利なことなのだ。

…とは、ハンスの弁。

なによりも…街の役人になんらかの手続きをしに行くたびに、大海戦への参加を促される。

それが非常にわずらわしかったからというのが、大海戦への参加を決定した私の、実は最大の理由だった。

国に恩を売っておくのも悪くはないだろう。



当然、倍にして返してもらうけれども。



子供のあまりの聞き分けのなさに言葉を失くした親のような表情でこちらを見上げているハンスを完全に無視しながら、私は再び甲板を見下ろした。

海事慣れしていないわりには、船員達はよく働き、善戦していると言えるだろう。

ハンスの指揮能力が高いこともある。

その船員達の間を、右往左往しておきながらも結局何もしていない副官のソニアも、まぁいつも通りと言える。



要するに、私は暇なのだ。

そして、頑張るなどという行為が嫌いでもある。

一番偉いものが一番楽をするのは当然なわけで、確か、適材適所などと言っただろうか。



そんな私を見かねて…というわけでもなさそうだ。

ハンスが船員に指示を出しながらも、深刻な様子でこちらに上がってきた。

「船長、まずい状況になりました。舵に藻がからまり、操舵が思うようにいきません。さらに悪いことに、両舷後方から敵艦が2隻迫ってきております。いずれすぐ敵の射程範囲内に入ることでしょう。ここは一時、戦場からの撤退を…」



…ヒュウウウウウ…



どこからか風を切る音が聞こえてきた。

と。



ドガアアアアアッ!!



先ほど報告を受けた敵艦とやらが、射程を測るために試射したものだろう。

追い風だからか思いのほか飛距離が伸び、私の頭の真横を通り過ぎていった砲弾は、まるで狙いすましたかのように、我が船のある備品を粉々に破壊していた。

社交用のドレスや装身具を大切に保管していた、私の用具入れを、だ。



ゆっくりと、無表情のまま。

砲弾が飛んできたであろう方向に、私は顔を向けた。

そしてまた、ゆっくりと顔の向きを元に戻し…大きく息を吸い込んだ。



「船長、今のは敵もわざとねらったわけではなく、たまたま…」

「面舵いっぱい! 右舷後方敵艦の船首をおさえろ! 見張り、船尾方向、左舷後方敵艦の射程注視!!」

さらに何か言いたげに口を開きかけたハンスは、しかし途中であきらめると、首を何回か横に振りながら持ち場へと戻っていった。



私は頑張るのが嫌いだが、やられたままでいるのはもっと嫌いなのだ。






























おまけ
家政婦じゃなくても見た!!

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2007.09.30 Sun l 未分類 l COM(7) TB(0) l top ▲

コメント

おもろいじょ〜w
続きが読みたいじょ〜w








(ここで媚を売っておかねばマジで殺される)(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
2007.09.30 Sun l おまけ. URL l 編集
「私は頑張るのが嫌いだが、やられたままでいるのはもっと嫌いなのだ。 」と締め括って、最後のSS・・・・また血の雨が降るのか。
2007.10.01 Mon l Acknowledgement. URL l 編集
おまけさんへ

 わかりました、では死刑から無期懲役にして差し上げます(・∀・)ゲンケーイ


Acknowledgementさんへ

 しかしながら、もっとも嫌いなのは「勝てない相手に喧嘩を売ること」なのです。
 まぁ、いずれはボッコボコにしてや…ウソデスゴメンナサイ。
2007.10.01 Mon l エルザ. URL l 編集
しっかりSS撮ってたのねw
そのSSより姫がこの後流血してる
(((( ;゚д゚)))アワワワワ なSSないの?

名前隠してもボレ?1の美貌でばれてしまうので
今度からは顔にもモザイクかけてもらおうかな^^

2007.10.02 Tue l 家政婦じゃない人に見られた人. URL l 編集
家政婦じゃない人に見ら…ええいメンドくさい、エさんへ

 「大航海時代online」は良い子のゲームなので、そんなシーンはありませんw

 確かに、顔がバレると(別の意味で)大変でしょうね…わかりました、ちゃーんとバレないように、画像修正しておきましたよぅヽ(´∀`)ノ
2007.10.02 Tue l エルザ. URL l 編集
おめめ〜w
1000カウント越え
おめでと〜www







これにより、恩赦でリガ行きは無しということで・・・・・ヽ(´ー`)ノマンセー
2007.10.03 Wed l 1001カウント目の訪問者より(おまけ). URL l 編集
ありり〜w
1001カウント目の訪問者より(おま…ええいメンドくさい、勇さんへ

 いやぁ、いつの間にか1000カウント超えてたんですね…喜ばしいというよりは、なにかの陰謀を感じるような不安感でいっぱいではあるわけですけれどもw

 恩赦は出さざるを得ませんね…仕方がありません、では流刑地はカッファ(リガよりは近い)に変更いたします(´∀`)
2007.10.08 Mon l エルザ. URL l 編集

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